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microSDのV30・U3・A1は、機器側の表記と合わせて見る

SDメモリカードの端子面を寄りで撮った写真

イメージ写真 記事の内容を撮影したものではありません。Photo by Patrick on Pexels

この記事には Amazon アソシエイトのリンクを含みます。

microSDの商品ページを開くと、1枚のカードに「V30」「U3」「A1」といった記号が並んでいる。さらに「最大読出速度100MB/s」とも書いてある。どれを見て選べばいいのか、決め手が分からない。

カードの記号は、使う機器側の表記と同じ系統でそろえたときに意味を持つ。 数字の大きさだけを見て、系統をまたいで比べることはできない。SD Associationの解説を読みながら、何をどの順で確認すればよいのかを整理する。

1枚のカードにV30・U3・A1が並ぶ理由

記号が重なって見えるのは、速度の表示が1種類ではないからだ。SD Associationは、速度の表示には4種類あると書いている。Speed Class、UHS Speed Class、Video Speed Class、SD Express Speed Classの4つで、数字が付いた記号は最低書き込み速度を示すとしている。SD Associationのスピードクラス解説

最低書き込み速度とは、その速さ以上で書き込み続けられることを示す値だ。動画の録画では、途中で速度が落ちるとコマ落ちが起きる。だから最大値ではなく、下限を保証する表示になっている。

実際の製品を見てみる。キオクシアのEXCERIA PLUS microSDXC UHS-Iメモリカード(KLMPAE*シリーズ)は、最大読出速度/最大書込速度を100/85 MB/s(256GB・512GB)、100/60 MB/s(64GB・128GB)と書いたうえで、ビデオスピードクラス30(V30)に準拠、UHSスピードクラス3(U3)に加えてアプリケーションパフォーマンスクラス1(A1)に準拠と説明している。キオクシアの製品ページ

ここで「最大85MB/s」と「V30」が同じカードに並ぶのは、両者が反対側の端を指しているからだ。前者は条件がそろったときに出る上限、後者は下回らないことを目指す下限にあたる。片方だけを見ると、速い印象にも遅い印象にもなる。

A1だけは種類が違う。これはアプリケーションパフォーマンスクラスといい、動画の書き込みではなくアプリの動作を対象にしている。数値は後で見る。

数字が同じでも、系統をまたぐと期待どおりにならない

ここからが、読み違えやすいところだ。数字が同じなら置き換えられると思って読み始めたのだが、規格側の説明はそうなっていなかった。

SD Associationは、機器(ホスト)側にもクラス記号が示されるとしている。製品本体、パッケージ、説明書のいずれかに書かれ、利用者は機器の記号と同じか、それより上のクラスのカードを選べばよい、という考え方だ。機器がSpeed Class 4を要求するなら、Class 4、6、10のカードが使える。「Best Combination between Speed Class Host and Card」

そのうえで、同じ節に次の注意が書かれている。ホストとカードで違う系統の記号を組み合わせた場合、期待した書き込み速度は得られない。例として挙がっているのは「ホストがClass 10でカードがU1」「ホストがU1でカードがV10」で、これらがいずれも10MB/秒の書き込み速度を示していても同じだとしている。

機器(ホスト)側 カード側 Class 10 Class 10 以上 Class 10 U1 同じ系統でそろう。期待どおりの書き込み速度 同じ10MB/秒を示していても、系統が違う 組み合わせは期待どおりにならない

上の組み合わせが規格側の示す使い方、下が注意されている組み合わせにあたる。どちらの図もSD Associationのスピードクラス解説の記述をもとにした説明用の図で、実測した結果ではない。

数字の付け方が系統ごとに違うことも、混乱のもとになる。Class 10とV10は数字がそのまま10MB/秒を指すが、U1は数字が1でも同じ10MB/秒を指す。数字の大きさで強弱を判断すると、U1がClass 10より遅いように見えてしまう。

もう一つ、系統ごとに使えるバスモードが決まっている。バスモードは、カードと機器がデータをやり取りする通信方式のことだ。C10はHigh Speed以降、U1とU3はUHS-I・UHS-II・UHS-III、V6とV10はHigh SpeedとUHS、V30はUHS、V60とV90はUHS-II・UHS-IIIで使うとされている。機器が古いバスモードしか持たない場合、上位クラスのカードを入れても表記どおりにはならない。

A2の性能には、機器側の対応も要る

アプリケーションパフォーマンスクラスは、動画の連続書き込みではなく、細かい読み書きの回数を対象にする。SD Associationは、A1とA2の要件を次のように示している。アプリケーションパフォーマンスクラスの説明

クラスランダム読み出しランダム書き込み連続書き込み
A11,500 IOPS 以上500 IOPS 以上10 MB/s 以上
A24,000 IOPS 以上2,000 IOPS 以上10 MB/s 以上

IOPSは1秒あたりに実行できる読み書き命令の数で、ここでは4KBの命令を数えている。連続書き込みの値はA1とA2で同じなので、この2つの差は、大きなファイルを一気に書く速さではなく、小さな読み書きを何回さばけるかにある。アプリをカードへ入れて動かす用途で効いてくる、という位置づけだ。

そのA2について、SD Associationは条件を付けている。A2の性能はA2対応のホストとA2対応のカードを組み合わせたときにだけ得られ、A1とA2の記号の組み合わせでは、少なくともA1の性能が得られる、という書き方だ。アプリケーションパフォーマンスクラスの定義

つまり、A2のカードを買っても、機器がA2に対応していなければA1相当になる。自分ならA2の価格差を払う前に、使う機器がA2に対応しているかを先に調べる。カード側の表記だけでは決まらない性能に、追加の費用を払うことになるからだ。

買う前に確認する順番

ここまでを踏まえると、確認は機器側から始めることになる。

  1. 使う機器の取扱説明書、本体、パッケージで、クラス記号を探す。「C」「U」「V」「A」で始まる記号と数字を見る。
  2. 見つかった記号と同じ系統で、同じか上のクラスのカードを選ぶ。機器がV30を求めているならV30以上、U1を求めているならU1以上を見る。
  3. アプリを入れて動かす用途なら、機器がA2に対応しているかを確認する。対応が確認できなければ、A1相当で足りるかを考える。
  4. カードの商品ページでは、「最大読出速度」と、クラス記号の数字を分けて読む。前者は上限、後者は下限を指す。

数値の前提として、クラスの書き込み速度は測定条件が決まっている。SD Associationは、スピードクラスの書き込みを、断片化していない領域(Free AU)への連続書き込みとして定義している。ファイルの削除と書き込みを繰り返すと領域は少しずつ断片化し、書き込み速度に影響する、とも書かれている。「Fragmentation and Speed」

確認できなかったことも書いておく。U3とV30が示す具体的なMB/s値は、SD Associationの公開ページでは図の中に置かれていて、今回テキストとして取得できなかった。テキストで確認できたのは、Class 10・U1・V10がいずれも10MB/秒の書き込み速度を示すという記述までになる。A1・A2の測定条件はSD 5.1およびSD 6.0のPart 1 Physical specificationで定義されるとされているが、仕様書本文は取得していない。特定の機器がA2に対応しているかどうかの一覧も、今回は確認していない。

まとめ

  • 速度の表示はSpeed Class、UHS Speed Class、Video Speed Class、SD Express Speed Classの4系統ある。数字が付いた記号は最低書き込み速度を示す。
  • 機器とカードで違う系統の記号を組み合わせると、同じ10MB/秒を示していても期待した書き込み速度は得られない、とSD Associationは注意している。数字の大きさを系統をまたいで比べることはできない。
  • A2の性能はA2対応の機器と組み合わせたときにだけ得られ、そうでなければA1相当になる。
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