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VALORANTの新ランクシールドは、Leagueの「降格シールド」とは別の仕組みだった

VALORANTのRank Shieldsは「Leagueの人気機能を移植」と報じられたが、確認すると保護のきっかけも切れ方も別設計だった。Rematchの類似機能とも比べる。

白と黒の駒が向かい合ったチェス盤の寄り

イメージ写真 記事の内容を撮影したものではありません。Photo by Ron Lach on Pexels

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昇格した直後に連敗して、「また前のランクに落ちるのでは」と焦った経験がある人は多いはずだ。VALORANTは2025年1月のパッチ10.01で、この不安を和らげる「Rank Shields」を実装した。このとき複数の海外メディアは「Leagueの人気機能を移植した」という趣旨で報じている。たとえばPCGamesNは、VALORANTの新機能をLeagueの降格保護の「VALORANT版」として紹介した(PCGamesN)。だが両タイトルの公式情報を並べると、「シールド」という名前と「降格の衝撃を和らげる」という目的が同じなだけで、保護が始まる条件も、切れる条件も別の設計になっている。

Leagueの降格シールドは「昇格後の試合数」で守る

League of Legendsの降格保護は、ディビジョンやティアを昇格した直後に自動でかかる。仕組みは「昇格してから一定数の試合が終わるまで、勝敗にかかわらず0 LPになっても降格しない」という、試合数の窓を作るタイプの保護だ(League of Legends Wiki)。守られている間に何連敗しようと、窓の試合数を消化し切るまでは前のティア・ディビジョンへは戻されない。

この試合数について、複数の独立したファンサイトを確認したが、「ディビジョン昇格で3試合、ティア昇格で10試合」とする記述と、逆に「ディビジョン昇格で10試合、ティア昇格で3試合」とする記述の両方が見つかり、Riot公式の一次テキストで正確な対応を確認できなかった。細かい試合数はここでは断定しない。重要なのは数字そのものより、保護の起点が「昇格したという出来事」であることだ。

Leagueにはもう一つ、降格時の着地点を和らげる仕組みもある。実際に降格するとき、下位ティアの最上位ディビジョンへ移されたうえで、その時点の隠しMMR(表示ランクとは別に管理される実力値)に応じてLPが25・50・75のいずれかに設定される。MMRが表示ランクよりかなり低ければ25、かなり高ければ75、それ以外はおおむね50という振り分けだ(League of Legends Wiki)。つまりLeagueは「降格を遅らせる時間窓」と「降格した後の着地点をならす仕組み」の二段構えになっている。VALORANTとRematchの資料には、降格後にどのRR・RPへ着地するかの説明が見当たらなかった。これは「無い」と断定できる材料ではなく、単に確認できていないという扱いにする。

VALORANTのRank Shieldsは「0地点での敗北」を数える

VALORANTのRank Shieldsは、これとは起点が違う。各ランクの最下位ディビジョン(Tier 1。たとえばGold帯ならGold 1)に入ると、Radiantを除く全ランクでシールドが2枚付与される。シールドが減るのは昇格した瞬間ではなく、「0 RR(そのディビジョンの最低ポイント)の状態で試合に負けたとき」だ。1敗目で1枚、2敗目で2枚目を消費し、シールドを使い切った状態でさらに0 RRで負けると、そこでようやく降格する。Gold 1なら3敗目でSilver 3へ落ちる計算になる。Gold 2やGold 3などTier 1以外のディビジョンにはシールドが存在しない(Riot Games公式パッチノートesports.gg)。

つまりLeagueの保護は「昇格した回数分の試合」という時間で切れるのに対し、VALORANTの保護は「0地点で負けた回数」という回数で切れる。昇格した直後に連勝していれば、Leagueの保護は試合数の消化とともに静かに終わるが、VALORANTのシールドはそもそも0 RRに落ちない限り一切減らない。PCGamesNの記事はVALORANTの新機能を「Leagueのbuffer gamesに相当するもの」と紹介したが(PCGamesN)、buffer(緩衝)という言葉が指す中身は、時間窓と敗北カウンターという別のロジックだ。

この違いは、昇格直後に勝ちも負けもせず足踏みしているプレイヤーの扱いに表れる。Leagueなら、昇格直後の試合数を勝率五分で乗り切れば保護期間は自然に終わり、その後は通常のルールに戻る。VALORANTでは、Gold 1に上がってから0 RRまで落ちない限りシールドはそもそも発動しない。逆に言えば、Gold 1に長く滞在して何度も0 RRへ落ちるプレイヤーほど、2枚のシールドを使い切って降格するタイミングが早く訪れる。Leagueの保護は「昇格した全員に一律の猶予」を配るのに対し、VALORANTの保護は「0地点まで転がり落ちた人にだけ」働く。対象の絞り方も違う設計だ。

タイトル保護が始まる条件枚数・試合数保護が切れる条件出典
League of Legendsディビジョン・ティアの昇格情報源により差あり(未確認)一定試合数の消化Wiki
VALORANT各ランクのTier 1に到達2枚0 RRでの敗北を3回重ねるRiot Games
Rematch各リーグの最下位ディビジョンで0 RP2枚0 RPでの敗北を3回重ねるSloclap

表の直後に置きたいのは、VALORANTとRematchの列がほぼ同じ形をしているという点だ。この2つは会社もジャンルも違う。VALORANTはRiotのFPS、RematchはフランスのスタジオSloclapによるサッカーゲームで、対戦の結果で増減するポイントをRP(Rank Points)と呼ぶ。VALORANTのRRと役割は同じで、0 RPが各リーグの最下位ディビジョンでの最低点にあたる。RematchはRank Shieldsから9か月後の2025年10月にほぼ同じ構造の保護を実装した(Sloclap公式開発者ブログ)。Sloclapは導入の狙いを「ランクシステムに緊張感を持たせたいが、降格の体験からは張り詰めた感覚を少し取り除きたい。何度かチャンスがあれば、結果の自然なばらつきに苦しみすぎずに済むはずだ」という趣旨で説明している。

自分はこの記事を書くまで、「VALORANTがLeagueの機能を持ってきた」という報道の枠組みをそのまま信じかけていた。数字を並べてみて意外だったのは、むしろ半年以上あとに出てきたジャンルも会社も違うRematchのほうが、VALORANTの「0地点での敗北回数を数える」という骨格に近かったことだ。両者がお互いを参考にしたのかは、開発元の発言を確認できておらず分からない。分かるのは、VALORANTが先に出たという順番だけだ。

この2つの設計、自分ならどちらを支持するか

昇格した直後の実力が定まっていない期間をまるごと保護したいなら、Leagueのように昇格イベントを起点にする時間窓のほうが分かりやすい。連敗の理由を気にせず、決まった試合数だけ耐えればいいからだ。一方、ランクの下限で粘っているプレイヤーの心が折れないようにしたいなら、VALORANTやRematchのように「あと何回耐えられるか」を残機として見せる回数制のほうが、自分の状態を把握しながら立て直せる。守りたい対象が「昇格直後の期間」なのか「下限での粘り合い」なのかで、選ぶべき設計が変わるという話であって、どちらが優れているという話ではないと自分は思う。

確度

主張確度根拠
VALORANT Rank Shieldsの仕組み(2枚・Tier1限定・3敗目で降格)確認済み(二次情報一致)公式パッチノートを引用する複数の独立媒体が一致。本セッションから playvalorant.com への直接アクセスは不可
Rematchのシールドの仕組みと開発者コメント確認済み(二次情報一致)公式開発者ブログを引用する複数の独立媒体が一致。本セッションから playrematch.com への直接アクセスは不可
Leagueの降格シールドが「昇格起点の試合数窓」であること確認済み(二次情報一致)複数の独立したファンサイト・Wikiが一致
Leagueの正確な試合数(ディビジョン・ティアの対応)未確認情報源間で記述が食い違い、Riot公式の一次テキストに本セッションから到達できず
Leagueの降格時ソフトランディング(MMRに応じて25/50/75 LP)確認済み(二次情報一致)複数の独立したファンサイト・Wikiが一致。Riot公式の一次テキストには本セッションから到達できず
VALORANTとRematchの設計が互いを参考にしたかどうか未確認両社ともそのような言及は確認できず、時系列の一致のみが事実

まとめ

VALORANTのRank Shieldsは「Leagueの名物機能を移植したもの」と報じられたが、確認すると保護の起点(昇格イベントか、0地点での敗北か)も、切れ方(試合数の消化か、シールドの消費か)も別の設計だった。共通しているのは「降格の衝撃を和らげる」という目的と、シールドという呼び方だけだ。半年後に出たジャンル違いのRematchが、むしろVALORANT型に近い設計を選んでいたことも合わせて見ると、「シールド」という名前だけで仕組みを類推するのは早い、というのがこの比較から言えることだ。

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